Uber Eats 広告で売上は本当に増えるのか|都内うどん店の実データで29.6%増を検証

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Uber Eats(ウーバーイーツ)に出店するとき、多くのオーナー様が気にされるのが「広告を出す意味はあるのか」という点です。手数料を払ったうえに広告費までかけて、本当に見合うのか。判断材料が少ないまま迷っている方は多いと思います。

この記事では、都内でうどん店を営む店舗が実際に Uber Eats の広告を18日間運用した結果を、管理画面の実データをもとに公開します。商品1点単位の販売明細まで取得し、広告の開始日・終了日で区切って集計しているため、広告期間中に本当に売上が増えたのかを直接確認できます。

目次

先に結論

  • 広告期間の1日あたり売上は8,098円。広告直前(6,247円)より+29.6%伸びた
  • 受注があった日の割合は広告直前・広告期間ともに83%で同じ。営業日数の違いによる差ではない
  • 広告経由の注文は60件、新規のお客様は38人。ROASは6.91倍
  • ただし広告を止めた後、1日あたり売上は4,122円まで下がった(広告期間比 −49.1%)

この記事で扱うデータについて

掲載している数値は、すべて Uber Eats Manager(店舗向け管理画面)に表示された実測値です。推定値や試算による水増しは行っていません。

  • 対象店舗:都内のうどん店(店舗名は非公開)
  • 広告の種類:スポンサードリスティング(検索結果・フィード内に表示される広告)
  • 広告の実施期間:2026年6月29日〜7月16日(18日間)
  • 使用データ:月次の売上サマリーに加えて、商品1点単位の明細が出力される「お支払いの詳細(商品レベル)」レポート
  • キャンセル・払い戻しの注文は集計から除外しています

実測値から計算した数値は、本文中で「計算値」と明記しています。

実施した広告の内容

今回実施したのは、Uber Eats のアプリ内で店舗を上位に表示させるスポンサードリスティング広告です。設定内容は次のとおりでした。

  • 1日あたりの予算:1,429円
  • 配信対象:すべての利用者(絞り込みなし)
  • 開始日:2026年6月29日

ここは重要な前提ですが、今回かかった広告費用19,458円は、全額が Uber Eats から提供された広告クレジットでまかなわれています。つまりこの店舗の自己負担は発生していません。同じ条件で試せるかどうかは店舗ごとに異なるため、ご自身のアカウントでクレジットの有無を確認してみてください。

Uber Eats 広告を実施した結果

18日間の運用で、管理画面には次の数字が表示されました。

Uber Eats スポンサードリスティング広告の実績。広告費用対効果6.91倍、広告経由の売上134,450円、広告費用19,458円、広告経由の注文60件、新規のお客様38人
項目 実績
広告費用対効果(ROAS) 6.91倍
広告経由の売上 134,450円
広告費用 19,458円(全額クレジット)
広告経由の注文 60件
新規のお客様 38人

広告費1円あたり約7円の売上が発生した計算になります。あわせて、この期間に38人の新規のお客様が獲得できています。

ただし、この数字だけで「広告が効いた」と判断するのは早計です。管理画面が示す「広告経由の売上」は、広告がなくても入っていたはずの注文を含んでいるためです。そこで、実際に売上が増えたのかを確認します。

期間をそろえて比べると、確かに売上は増えていた

商品レベルのレポートを日付で区切り、期間ごとの1日あたり売上を計算しました。期間の長さが異なるため、合計ではなく1日あたりに揃えています。

都内うどん店の期間別1日あたり売上。5月4,189円、広告直前6,247円、広告期間8,098円、停止後4,122円。広告期間は広告直前より29.6パーセント高い
期間 日数 注文数 1日あたり売上 受注があった日 客単価
5月(基準月) 31日 58件 4,189円 24日(77%) 2,239円
広告直前(6/17〜6/28) 12日 28件 6,247円 10日(83%) 2,677円
広告期間(6/29〜7/16) 18日 63件 8,098円 15日(83%) 2,314円
広告停止後(7/17〜8/13) 28日 53件 4,122円 19日(68%) 2,178円

広告期間の1日あたり売上8,098円は、広告直前(6,247円)を29.6%上回っています。基準月の5月(4,189円)と比べれば約1.9倍です。

ここで確認しておきたいのが、受注があった日の割合です。広告直前と広告期間はどちらも83%で変わっていません。営業日数が増えたから売上が伸びた、という説明は成り立たないことになります。

また、客単価は2,677円から2,314円へむしろ下がっています。売上が伸びた理由は注文件数が増えたことにあります。18日間で63件は、直前12日間の28件(1日あたり2.33件)を上回るペースです。

どのメニューが動いたか

商品レベルのデータを見ると、広告期間中に伸びた商品と減った商品がはっきり分かれていました。1日あたりの販売数の変化です。

動き 商品
増えた 店名を冠した看板うどん、わかめうどん、肉汁うどん、肉うどん、けんちんうどん、からあげ
減った 冷やしざるうどん、色彩うどん、セットメニュー

温かい肉系のうどんが軒並み増え、冷やしざるうどんが減っています。7月という時期を考えると意外な動きですが、広告で新しく訪れたお客様が、その店を代表するメニューを選んだと読むこともできます。

なお個々の商品の増減は1日あたり0.2〜0.5個程度、実数では数個の差です。傾向としては読み取れますが、商品単位での断定は避けます。

広告を止めた後に起きたこと

この事例で見逃せないのが、広告停止後の動きです。

広告を止めた7月17日以降の28日間、1日あたり売上は4,122円まで下がりました。広告期間(8,098円)と比べて49.1%の落ち込みで、広告を出していなかった5月(4,189円)の水準に戻っています。

背景として、この期間は受注があった日の割合も68%へ下がっています。広告停止だけが原因とは言えず、お盆期間の営業状況など複数の要因が考えられます。管理画面のデータだけでは特定できないため、断定は避けます。

それでも、広告を出している間に獲得した38人の新規のお客様が、そのまま自動的にリピーターとして定着したわけではないという点は、これから出店される方が知っておくべき現実だと思います。

参考までに、この店舗の広告期間中の売上145,760円に対して、管理画面が示す広告経由の売上は134,450円でした。売上の9割以上が広告枠を経由した注文だったことになります。広告への依存度が高い状態だったため、止めたときの反動も大きくなったと考えられます。

他店と比べてわかること

当メディアでは、同じ時期に同じ種類の広告を実施した他2店舗も同じ手法で検証しています。3店舗を並べると、ROASという指標の性質が見えてきます。

同時期にUber Eats 広告を実施した3店舗の比較。ROASはうどん店6.91倍、鮮魚店7.98倍、海鮮丼店3.78倍。広告期間中の1日売上の増減はうどん店プラス29.6パーセント、鮮魚店マイナス19.7パーセント、海鮮丼店マイナス63.1パーセント
項目 うどん店(本記事) 鮮魚店 海鮮丼店
ROAS 6.91倍 7.98倍 3.78倍
新規のお客様 38人 22人 8人
広告期間の1日売上の増減 +29.6% −19.7% −63.1%

ROASが最も高かったのは鮮魚店(7.98倍)ですが、実際に売上が増えたのは3店舗のなかでうどん店だけでした。ROASの高さと、実際の売上の伸びは一致していません。

これは、ROASの分子である「広告経由の売上」が純粋な増加分ではないためです。詳しくは鮮魚店の記事で解説しています。

これから出店するオーナー様が押さえておきたい3点

1. まずクレジットの有無を確認する

今回の広告費は全額が Uber Eats 提供のクレジットでまかなわれました。出店直後の店舗には広告クレジットが付与されているケースがあります。自己負担なしで試せるなら、効果を実測してから継続を判断できます。

2. 広告の開始日・終了日で区切って効果を測る

月次の売上を比べるだけでは、広告期間と非広告期間が混ざってしまい正しく評価できません。「レポート」から「お支払いの詳細(商品レベル)」を作成すると、商品1点単位・日付つきの明細が取得できます。広告の開始前と実施中を、同じ長さの期間で比べてください。

3. 広告と並行してリピート施策を用意する

今回の事例が示すとおり、広告を止めれば流入は止まります。売上の9割が広告経由という状態は、裏を返せば広告なしでは注文が入りにくいということです。広告で新規のお客様を集めている期間中に、商品の質・梱包・提供スピードといった「もう一度頼みたい」と思ってもらう要素を整えておくことが、広告費を無駄にしないための条件になります。

関連記事

同じ時期に同じ種類の広告を実施した他2店舗の検証結果も公開しています。業態によって結果がどう変わるかがわかります。

まとめ

都内うどん店が Uber Eats の広告を18日間運用した結果、広告期間の1日あたり売上は8,098円となり、広告直前より29.6%伸びました。受注があった日の割合は変わっていないため、営業日数によるものではなく、実際に注文が増えたと言えます。広告費用対効果は6.91倍、新規のお客様は38人でした。

一方で、広告を停止した後は1日あたり4,122円まで下がり、広告実施前の水準に戻っています。売上の9割以上が広告経由だったことを踏まえると、広告なしでも注文が入る状態を並行して作っておく必要があったと言えます。

これから出店を検討されている方は、まず自店のアカウントで広告クレジットの有無を確認し、小さく試して実測することをおすすめします。そして評価するときは月次ではなく、広告の開始日・終了日で区切った数字をご覧ください。判断材料は、他店の話ではなく自店の数字です。

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この記事を書いた人

当メディアの運営責任者。これまで累計1,600店舗を超える飲食店の経営支援に携わり、フードデリバリー出店や助成金活用を中心に幅広いサポート実績を持つ。さらに、東京都内での飲食店共同経営経験を活かし、現場視点と経営ノウハウを両立した情報発信を行っている。飲食店経営者にとって実務に役立つ専門的な知識と、信頼できる一次情報を届けることを使命としている。

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