Uber Eats に新規出店するにあたり、いくらの売価にすべきか、理想的な値付けについて共有いたします。
目次
まずはじめに、Uber Eats にかかる販売手数料を下記へ記します。
配達手数料とは、Uber Eats で宅配を受注した際、その売上に対して発生する費用です。
テイクアウト手数料とは、Uber Eats でテイクアウトを受注した際、その売上に対して発生する費用です。
これらの手数料はそれぞれ異なり、ユーザーがUber Eats アプリを通じて配達を利用した場合に35%かかり、Uber Eats アプリを通じてお店でテイクアウトを利用した場合に12%かかる仕組みです。
Uber Eats の配達手数料は35%かかりますので、単純に売価に上乗せすればよさそうです。
計算式は以下のようになります。
店内飲食が1,200円の場合
1,200÷0.65の約1,846円をUber Eats の売価に設定すれば店内価格と同じ額が入金されることになります。
1,846円×35%=646円の販売手数料
売価1846円-646円=1,200円という計算です。
店内価格÷0.65で求めます。
Uber Eats 出店条件と登録方法は?店舗に費用や手数料はかかる?
実は、単純に35%を上乗せすればよいわけではありません。
店内飲食でもそうですが、Uber Eats に適した客単価で設定する必要があるためです。
Uber Eats の客単価は配達料等が加算されるため店内飲食よりもやや割高になります。
実際にUber Eats を利用されるユーザーの平均客単価を調べてみました。
Uber Eats の客単価はおおよそ以下のようになります。
さきほど、単純に35%を上乗せした売価を求めてみましたが、もし仮にランチで提供しているようなメニューを1,846円で提供となると、売れる見込みがガクッと下がります。
極力、ランチとディナーの平均客単価のボーダーを超えないように、もしくは超えてもお得だと思ってもらえるように工夫することが大切です。
店内飲食の価格にそのまま35%を上乗せする場合、ほとんどの加盟店が割高になってしまいます。
ただやみくもにUber Eats の売価を下げても利益が減るだけです。
そこで、Uber Eats の売価を下げる代わりに、Uber Eats 用のメニューに対する原価を下げる工夫を行います。
たとえば、店内で扱っている唐揚げ定食を例にすると
店内飲食の場合
Uber Eats で販売する場合
を基本メニューとして、追加オプションとして
のように、ユーザーが任意で追加注文できるようにすることで、売価を下げつつ、お店のメニューをUber Eats 上の客単価に合わせることが可能となります。
多くの店舗様は、売価の設定時に以下のようなコストを見落としがちです。
1つずつ解説いたします。
意外と見落としがちな原価の代表例です。
しかし、容器の原価割合は販売価格の5~10%程度になるくらい大きいものです。
Uber Eats の値付けにあたり、必ず容器代を上乗せするなどの注意が必要です。
容器にかかる原価のせいでUber Eats の平均客単価を超えてしまう場合、容器の仕入先を変えるなど、調達コストを下げる工夫も大切です。
しかしながら、安い容器にはそれなりに落ち度もあります。
熱に弱かったり、配達の揺れに耐えられなかったりする場合がありますので注意が必要です。
Uber Eats で注文したことがある方はご存じかと思いますが、注文する際に配達料が加算されます。
注文者が支払う配達料はおおよそ50円~300円程度になります。
つまり、店舗側で設定した売価に50円~300円の配達料が加算されることになりますので、売価が1,200円の場合、最終的にユーザーが支払う金額は配達料の分だけ高くなります。
ここ最近、配達料が0円になる月額サービスの導入により、配達料を負担しなくてよいユーザーが増えました。
しかし、現在の加入状況は、五分五分といった印象です。
つまり全体の約50%のユーザーは、料理代以外に配達料を負担している点に注意が必要です。
Uber Eats の注文者は、上記の配達料のほかに購入手数料を負担する仕組みです。
購入手数料とは、料理代とは別にかかるユーザー側のコストです。
たとえば、1,200円の料理を注文しようとする場合、120円の購入手数料がユーザー側に追加でかかります。
お店側は、売価を設定する際に、この購入手数料まで考慮する必要がございます。
Uber Eats のシステムは、Uber Eats 上の店舗に何名アクセスしたか、そのあと何名が料理をカートに入れたか、そして最終的に何名が決済したか、など細かくデータを収集しています。
そのデータからわかることですが、一定のユーザーは別途かかる配達料と購入手数料を確認後、予算オーバーのため決済せずにキャンセルする場合がございます。
これは、Uber Eats に限らず、オンラインショッピングでほしいものを購入する際に、配送料が想像以上に高くなり、購入を見送った。という経験と同じイメージです。
ユーザーが「配達料」と「購入手数料10%」を負担することを忘れずに、お店の方は売価を設定する必要がございます。
苦労して出店したわりに、全くオーダーが入らない…. なんてこともございます。
主な原因の一つとして、Uber Eats の客単価を大幅に超えてしまっていることが考えられます。
これまでのデータを踏まえ、Uber Eats の売価をいくらにすべきか大枠の考え方を以下へ共有いたします。
重複しますが、重要なので再度お伝えします。
理想は以下の金額に近づけることです。
そのために、店内で取り扱っているメニューをUber Eats 向けにアレンジしたり、たとえばお味噌汁やサラダを追加料金がかかるオプションに設定したりして、基本的な原価を下げつつ、売価を上手に調整したいところです。
ほかの競合店が強い場合がございます。
値下げを検討する前にUber Eats の注文アプリにお店の近隣住所を入力し、競合店のリサーチを行うことをおすすめしております。
競合店の価格が極端に低い場合、無理に合わせる必要はありません。
できれば価格勝負は避けたいところですので、競合店にない魅力をPRして選ばれるような工夫が必要です。
たとえば、期間限定でトッピングが無料になるキャンペーンを行ってみたり、2個頼むと1個無料になるキャンペーンを試してみたり、お客様がうちのお店を選びたくなるような強みを考えましょう。