Uber Eats(ウーバーイーツ)の売価はいくらに設定すべき?手数料・客単価・価格戦略を徹底解説
Uber Eats(ウーバーイーツ)に新規出店する飲食店オーナーが最初に直面するのが「メニューの価格設定」です。実は、店内価格をそのまま登録してしまうと、売れた瞬間に実質赤字になるケースが少なくありません。本記事では、Uber Eats の手数料の仕組みを正確に理解したうえで、利益を守りながら注文を獲得するための価格設定方法を、具体的な計算式と実例を交えて解説します。
結論から先にお伝えすると、Uber Eats における推奨売価の計算式は「店内価格 ÷ 0.65」が基本です。ただし、これだけでは不十分な場合があります。容器代・配達料・購入手数料など、価格設定時に見落としがちなコストも含めて総合的に考える必要があります。以下で順を追って詳しく説明します。
Uber Eats の手数料一覧と計算方法(配達・テイクアウト別)

Uber Eats に出店すると、受注のたびに売上に対して一定の手数料が差し引かれます。手数料率は受注の種類によって異なります。
- 配達手数料:売上の35%(税込38.5%)――Uber Eats のアプリを通じてデリバリー注文を受けた際に発生します。
- テイクアウト手数料:売上の12%――Uber Eats のアプリを通じてテイクアウト注文を受けた際に発生します。
- セルフ配達プラン:売上の15%――店舗が自社のスタッフで配達を行う場合に適用される手数料率です。Uber Eats の配達パートナーを使わないため手数料は低く抑えられますが、自社で配達体制を整える必要があります。
なお、売上の入金サイクルは毎週入金となっています。月末まとめ払いではないため、キャッシュフローの面では比較的管理しやすい仕組みです。
多くの店舗が利用する標準的な配達プランでは、売上の35%(税込38.5%)が手数料として差し引かれます。つまり、1,000円の料理を販売した場合、店舗に入金されるのは650円(税込計算では615円)ということになります。この数字を前提に、以下の価格設定を行う必要があります。
詳しい費用の全体像については、Uber Eats(ウーバーイーツ)出店にかかる初期費用と手数料についてもあわせてご確認ください。
Uber Eats の売価はいくらに設定すべき?基本の計算式と具体例
手数料を踏まえたうえで、店内飲食と同等の売上を確保するための計算式は以下のとおりです。
【基本計算式】店内価格 ÷ 0.65 = Uber Eats での推奨売価
具体例を見てみましょう。
- 店内価格が1,000円の場合 → 1,000 ÷ 0.65 = 約1,539円
- 店内価格が1,200円の場合 → 1,200 ÷ 0.65 = 約1,846円
- 店内価格が800円の場合 → 800 ÷ 0.65 = 約1,231円
よくある誤解として「1,000円 × 1.35 = 1,350円に設定すればよい」と考える方がいますが、これは正しくありません。1,350円に設定した場合、その1,350円に対して35%の手数料がかかるため、手元に残るのは1,350円 × 0.65 = 877円となり、店内価格の1,000円を下回ってしまいます。
正しい計算式は「店内価格 ÷ 0.65」であり、「店内価格 × 1.35」ではありません。この違いは非常に重要です。
また、税込で考える場合は「店内価格 ÷ 0.615」で計算するとより正確です(手数料38.5%を控除した残りが61.5%のため)。
なお、出店登録を実際に行ったオーナーの方から多く聞かれるのが「登録時に店内価格のまま設定するよう案内されることがある」という点です。これは Uber Eats が推進する「お店と同じ価格」ポリシーと関係しており、後述しますが、手数料を考慮せずにそのまま設定してしまうと利益が出ない状況になりかねません。価格設定は慎重に行う必要があります。
ユーザーが実際に支払う総額を把握する(配達料・購入手数料・少額手数料)

店舗側の手数料だけでなく、注文者側がいくら支払っているかを把握することも、価格設定において非常に重要です。ユーザーが支払う総額が高くなりすぎると、カートに商品を入れた後でキャンセルされるケースが増えます。
配達料
注文者は料理代金とは別に、配達料を負担します。配達料はおおよそ50円〜300円程度ですが、距離・時間帯・配達パートナーの需給バランスによって変動します。混雑時間帯や悪天候時には配達料が通常より高くなる「サージプライシング」が発生することがあり、800円を超えるケースも稀にあります。
Uber One(月額サービス)に加入しているユーザーは配達料が無料になりますが、現時点では加入者と非加入者はおおよそ半々程度の印象です。つまり、全体の約50%のユーザーは配達料を実費負担しており、その分だけ料理代に上乗せされた金額を支払っていることになります。
購入手数料(サービス手数料)
配達料に加えて、注文者はサービス手数料も負担します。たとえば1,200円の料理を注文する場合、120円程度の購入手数料がユーザー側に加算されます(概ね料理代金の10%前後が目安です)。
少額注文手数料
注文金額が一定額を下回る場合(目安として700円未満)には、少額注文手数料として約150円が別途加算される仕組みがあります。低価格帯の商品のみを販売している場合、ユーザーの最終負担額が想定以上に膨らむことがあるため注意が必要です。
ユーザーが支払う総額のイメージ
- 料理代金:1,200円
- 購入手数料(約10%):120円
- 配達料:100〜300円(Uber One非加入者の場合)
- 合計:1,420〜1,620円
店舗が設定した売価が1,200円であっても、ユーザーが実際に支払う金額はこれより大幅に高くなります。売価設定の際には、この「ユーザーが支払う総額」を常に意識することが大切です。
Uber Eats のシステムは、店舗ページへのアクセス数・カート投入数・最終決済数を細かく計測しています。カートに入れたにもかかわらず決済されなかったケースは、配達料や購入手数料を確認して予算オーバーと判断したユーザーが離脱したと考えられます。これはオンラインショッピングで送料を確認してから購入を諦めるケースと本質的に同じ構造です。
Uber Eats に適した客単価の目安(ランチ・ディナー別)

単純に「店内価格 ÷ 0.65」で計算した売価を設定するだけでは、実際に売れるかどうかは別問題です。Uber Eats には、ユーザーが実際に注文する際の「相場感」があります。
実際のユーザーデータをもとにした客単価(配達料・購入手数料を除く料理代金のみ)の目安は以下のとおりです。
- ランチタイム:1,500円前後
- ディナータイム:1,800円前後
この金額を大幅に超える売価を設定すると、同じエリアの競合店と比較されたときに選ばれにくくなります。たとえば、店内で800円で提供しているランチメニューを「店内価格 ÷ 0.65 = 約1,231円」で設定することは理にかなっていますが、店内で1,200円の料理を約1,846円に設定すると、ランチの平均客単価を超えてしまい、注文数が落ちる可能性が高くなります。
ランチとディナーで異なる売価設定を行い、それぞれの時間帯に合った価格帯に近づけることが、注文獲得のうえで非常に有効です。
平均客単価に合わせる価格設定テクニック(メニュー構成・オプション活用)

「手数料分を上乗せすると客単価の上限を超えてしまう」「かといって安く設定すると利益が出ない」――この矛盾を解決するのが、メニュー構成の見直しとオプション設定の活用です。
具体的には、Uber Eats 向けのメニューを「シンプルな基本構成+有料オプション」の形式に再設計することで、基本価格を抑えつつ、追加購入による客単価アップを狙う方法です。
【実例:唐揚げ定食の場合】
店内飲食の構成(1,200円):
- ごはん200g
- 唐揚げ4個
- サラダ・みそ汁付き
Uber Eats 向けの基本構成(980円):
- ごはん160g
- 唐揚げ3個
追加オプション:
- サラダ:250円
- みそ汁:150円
- 唐揚げ1個増量:150円
- ごはん大盛り:100円
この設計にすることで、基本価格を客単価の範囲内に収めつつ、オプションを選ぶユーザーには平均以上の売上を確保できます。また、ユーザー側からすると「自分好みにカスタマイズできる」という体験価値も生まれます。
価格設定の変更はUber Eats マネージャー(管理画面)からいつでも行うことができます。メニューを選択して価格欄を更新するだけで反映されますので、試行錯誤しながら最適な売価を見つけていくことをおすすめします。
利益を出すための詳しい考え方については、Uber Eats(ウーバーイーツ)で利益を出すにはどうすればよい?どれくらい儲かるの?もご参照ください。
見落としがちなコスト一覧(容器代・消耗品代・手数料の複合影響)
価格設定時に売上手数料だけを考慮して、以下のコストを見落としている店舗が非常に多く見られます。これらを加味しないと、計算上は利益が出ているように見えても、実際には赤字になっているケースがあります。
容器代・カトラリー代
デリバリー専用の容器・フタ・割り箸・おしぼりなどの消耗品は、販売価格の5〜10%程度のコストになることがあります。たとえば1,000円の料理に対して50〜100円が容器コストとして発生する計算です。
容器コストを抑えようとして安価な容器を使うと、熱に弱かったり、配達時の揺れで料理がこぼれたりする問題が起きることがあります。品質とコストのバランスを慎重に考える必要があります。容器の選び方については、Uber Eats など配達に適した容器とは?注意すべきポイントを解説しますで詳しく解説しています。
タブレット端末・通信費(固定コスト)
Uber Eats からタブレットをレンタルする場合、レンタル代(税込)22,500円を12分割で支払い(月々約1,875円、売上から自動控除)、さらにSIM通信費(税込)として週250円が発生します。ただし、自己所有のスマートフォンや中古タブレットで代用すれば、これらの費用は一切かかりません。初期コストを抑えたい場合は自己所有端末の活用を検討してみてください。
メニュー写真撮影費用
Uber Eats に撮影を依頼する場合、1時間あたり13,000円(税込)の費用が発生します。スマートフォンで自撮りすればこのコストはゼロになりますが、写真のクオリティは注文率に直結するため、初期投資として検討する価値はあります。
コストの複合影響シミュレーション
1,000円の料理(原価率35%・容器代50円)を Uber Eats で販売した場合:
- 売価:1,000円
- Uber Eats 手数料(35%):350円
- 食材原価(35%):350円
- 容器代:50円
- 残る利益:250円(利益率25%)
一方、「店内価格 ÷ 0.65」の計算式で売価を1,539円に設定した場合:
- 売価:1,539円
- Uber Eats 手数料(35%):538円
- 食材原価(35%):350円
- 容器代:50円
- 残る利益:601円(利益率39%)
この差は非常に大きく、価格設定が利益構造を根本から左右することがよくわかります。
「店内と同じ価格」ポリシーへの対応と利益を守る工夫
Uber Eats は近年、加盟店に対して「店内と同じ価格での提供」を推奨・促進する動きを強めています。これはユーザー体験の向上を目的としたもので、Uber Eats 上の価格が店頭より大幅に高いことへの不満(「ウーバーイーツ 値段 おかしい」「ウーバーイーツ 価格 上乗せ」といった検索が多く見られます)を受けた施策でもあります。
しかし実際問題として、手数料35%が差し引かれる構造のまま店内と同じ価格で提供すれば、売れるたびに損失が拡大します。では、どう対応すればよいのでしょうか。
利益を守りながら「同価格」に近づける方法
- デリバリー専用メニューを開発する:店内では提供していない、デリバリーに特化した商品を新たに開発し、そのメニューについては適正な価格を設定する。
- セット・バンドル販売で客単価を高める:単品価格を店内と揃えつつ、セット販売やトッピング追加でトータルの客単価を上げ、手数料分をカバーする。
- 原価率を見直す:デリバリー向けメニューでは食材の量やグレードを調整し、同価格でも利益が出る原価構造を作る。
- 固定コストを削減する:タブレットを自己所有端末で代用する、写真は自撮りするなど、固定費を下げることで価格を抑えやすくする。
「値段が変わらない店」として認知されることはブランド上のメリットもありますが、利益率の確保と両立させるには、メニューの設計段階からデリバリーを意識した構造にすることが不可欠です。
注文が入らないときに確認すべき価格設定の見直しポイント

出店したにもかかわらずなかなか注文が入らない場合、価格設定が原因のひとつである可能性が高いです。以下のチェックリストで確認してみてください。
チェック1:客単価の上限を超えていないか
ランチ1,500円・ディナー1,800円という目安を大幅に超えていないか確認しましょう。特にランチ向けメニューで2,000円を超えるような価格設定は、注文数に顕著な影響が出やすいです。
チェック2:ユーザーが支払う総額を計算したか
料理代金に配達料・購入手数料を加えた総額が、ユーザーにとって「妥当な金額」に収まっているか確認してください。総額が2,500円を超えてくると、離脱率が上がる傾向があります。
チェック3:競合店をリサーチしたか
Uber Eats のアプリで自店舗近隣の住所を入力し、同ジャンルの競合店の価格帯を確認してみましょう。競合が極端に安い場合、無理に価格勝負をする必要はありませんが、差別化できる強みのPRが必要です。
チェック4:価格以外の要素も見直す
価格が適正でも、メニュー写真のクオリティが低い・商品説明が不足している・評価数が少ないなどの理由で選ばれていない場合もあります。価格と並行してこれらも改善することをおすすめします。
注文増加のための施策例
- 期間限定でトッピング無料キャンペーンを実施する
- 2個購入で1個無料のセットを設定する
- 初回注文割引クーポンを活用する
- 新商品を定期的に追加してアプリ上で目立たせる
また、Uber Eats 単独への依存を避ける観点から、出前館やロケットナウなど他のフードデリバリーサービスへの併用出店も有効な手段です。Uber Eats とロケットナウは単身世帯・若年層に強い傾向があり、出前館は家族層・高年齢層に好まれる傾向があります。複数サービスに出店することで異なる顧客層を取り込みやすくなり、注文数の底上げにつながります。
出店手続きの全体像については、飲食店がUber Eats を始める方法とは?出店に必要なものとは?費用は?もあわせてご覧ください。
よくある質問(FAQ):Uber Eats の価格・手数料について
Uber Eats では店内価格より値段を上げても問題ありませんか?
規約上は店舗側が自由に価格を設定することが可能です。ただし、Uber Eats は「店内と同じ価格」での提供を推奨する方針を強めており、大幅な価格上乗せはユーザーからの評価低下につながる可能性があります。手数料を考慮したうえで、ユーザーにとっても「納得感のある価格」に設定することが注文獲得の観点で重要です。
Uber Eats の手数料35%はどのように計算するのですか?
売価に対して35%が差し引かれる計算です。たとえば売価1,000円の場合、手数料は350円となり、店舗に入金されるのは650円です。なお、税込で考えると手数料率は38.5%となり、入金額は615円になります。正しい計算式は「売価 × 0.65 = 手元に残る金額」です。
Uber Eats で注文すると配達料はいくらかかりますか?
注文者が負担する配達料は、距離・時間帯・配達パートナーの需給状況によって変動します。一般的には50円〜300円程度が目安ですが、繁忙時間帯や悪天候時にはサージプライシングが発生し、800円を超えることもあります。Uber One に加入しているユーザーは配達料が無料になります。
購入手数料(サービス料)とはいくらかかりますか?
料理代金とは別にユーザー側に課される手数料で、概ね注文金額の10%前後が目安です。たとえば1,200円の料理を注文した場合、約120円の購入手数料が加算されます。また、注文金額が700円未満の場合は少額注文手数料として約150円が別途加算されます。
店内価格の1.5倍に設定しても売れますか?
ジャンルや地域によりますが、一般的には厳しい場合が多いです。たとえばランチで800円の商品を1,200円(1.5倍)に設定すると、配達料・購入手数料を含めたユーザーの総支払額が1,400〜1,600円以上になります。競合の価格帯や平均客単価の目安(ランチ1,500円・ディナー1,800円)と照らし合わせて判断してください。
Uber Eats の値段設定はアプリからどうやって変更できますか?
Uber Eats マネージャー(店舗管理画面)にログインし、「メニュー」セクションから変更したい商品を選択して価格を更新するだけです。変更はほぼリアルタイムで反映されます。定期的に価格を見直し、注文データをもとに最適な売価を調整していくことをおすすめします。
注文が全く入らない場合、値段設定が原因ですか?
価格設定は主要因のひとつです。ただし、メニュー写真のクオリティ・商品説明の充実度・ユーザー評価の数・エリア内の競合店の強さなども影響します。まずは Uber Eats アプリで近隣の競合店をリサーチし、自店舗の価格と比較してみることが最初のステップです。
配達料が800円を超えることはありますか?その理由は何ですか?
はい、あります。Uber Eats はサージプライシングという仕組みを採用しており、需要が供給を大幅に上回る時間帯(夕食のピーク時・雨天時・イベント開催時など)には配達料が通常より大幅に引き上げられます。これはユーザー側のコストとして発生するため、店舗の設定価格とは別に加算されます。
Uber Eats の店頭価格と違う場合があるのはなぜですか?
店舗が Uber Eats 向けに異なる価格を設定しているためです。手数料・容器代などのデリバリー固有のコストを考慮して価格を上乗せしているケースが多く見られます。ただし、Uber Eats は「店内と同じ価格」を推奨しており、今後この方針がより強化される可能性があります。
Uber Eats の価格はなぜ変わることがあるのですか?
店舗側がメニュー価格を定期的に見直していることが主な理由です。また、キャンペーンや割引設定によって表示価格が変動することもあります。配達料についてはサージプライシングにより時間帯・需給状況に応じてリアルタイムで変動します。
まずは無料相談から――Uber Eats 出店のご支援を行っています
「手数料の計算方法がわからない」「適正な売価がいくらか判断できない」「出店登録の手順に不安がある」――そんなお悩みをお持ちの飲食店オーナー様を対象に、Uber Eats(ウーバーイーツ)出店に関する無料相談を承っています。
価格設定・メニュー構成・出店手続きの各ステップまで、実際の出店経験をもとに具体的なアドバイスをご提供します。まずはお気軽にお問い合わせください。
出店登録の詳細な手順については、Uber Eats(ウーバーイーツ)加盟店の登録方法・費用・必要書類を徹底解説をご覧ください。


