今回は、中目黒にある中華料理店「トミーズキッチン」のオーナー様にお話を伺いました。
多くの飲食店がひしめく中目黒で、最高評価の「Eats 厳選」に選ばれ続けている人気店です。
お店の形態は「デリバリー」に特化して営業されています。
可愛らしいお店のロゴが印象的で、ロゴのモデルにもなっているシェフはその道30年以上の生粋の料理人で、奥さまは、お店を始める前までアパレル業界でご活躍されていたそうです。
トミーズキッチンを始めるまで、飲食店経営の経験はなかったというお二人ですが、
旦那さまが還暦になったのを期に、ご夫婦で2020年7月に自身のお店をオープンされました。
しかし、当初はコロナ真っ只中…。今でこそ人気店になったお店も、オープンして3ヶ月間は厳しい状況が続いていたようです。
インタビューでは、Uber Eats の出店に至った経緯や、人気店に選ばれた秘訣についてお伺いしました。
目次
「デリバリー1本でやっていこう」と決意された経緯をお伺いしてもよろしいでしょうか?
もともと私もシェフ(旦那さま)も会社に勤めていたんですが、
「いつか自分のお店を持ちたい」という夢があり、
還暦になったのを期に会社を退職してお店をオープンしました。
それが2019年末のこと。意気込んでオープンした矢先にコロナ禍へ突入。
2020年4月に緊急事態宣言があり、経済的にかなり不安な状態でしたよね。
そうなんです。当時は渋谷でさえ人が歩いていない状態でしたから、実店舗は難しいだろうと判断し、KitchenBASEの一角をお借りしてデリバリーでやっていこうと決めました。
他の選択肢として、移動式のキッチンカーも検討しましたが、キッチンカーは出せる商品数が少ないんです。
中華料理店(新橋亭や香妃園)で培った経験を活かして、多くのメニューをお客様に届けたいという想いがあったので、キッチンカーは断念しました。
なるほど。それでデリバリー1本でやっていこうと?不安はなかったですか?
私は不安だったのですが…(どうやってデリバリーだけで食べてくのよ?と)
シェフは、チャイナクイックというデリバリーに特化した中華料理店の立ち上げに携わったメンバーの一人だったんです。
その当時の経験があり、デリバリーに対する抵抗感も少なく、成功イメージもあったようです。
シェフ(旦那さま)の経験があったからこそ踏み切れた決断ですね。
実際にフードデリバリーサービスに出店してみていかがでしたか?
最初はUber Eats 以外のフードデリバリーサービスに加盟しました。
最初の3ヶ月くらいは利益がでなくて
二人で「なかなか上手くはいかないね〜」なんて話をしていました。
他のデリバリーと一緒にUber Eats は出店されなかったのですか?
コロナ過で出店が殺到したようで、 Uber Eats になかなか出店できませんでした…
当時、Uber Eats の登録は3ヶ月待ちという状況でした。
Uber Eats に出店できてから状況が一変しましたね。
といいますと?
まず、注文数が凄かったです。
他にもデリバリーサービスを行っていたのですが、Uber Eats だけ注文数が桁違いに多かったです。
おかげさまで、Uber Eats に加盟してから利益がでるようになりました。
1番効果を感じたのはプロモーションですね。
1つ注文するともう1つ無料のように、Uber Eats には多くのプロモーションがあるんです。
プロモーションを活用することでお客様にお店の存在を知ってもらえるキッカケになりました。
奥さまは集客が得意なのですね。
ちなみに、広告宣伝の知識はどのように身に付けられたのでしょうか?
もともとアパレル業界で商品の見せ方などを工夫してきた経験があり、料理の見せ方にも通じる部分がありました。
なるほど!通りでPRがお上手なんですね!!
しかし、プロモーションすることで利益率に影響がでませんか?
まずはお店の存在を知ってもらえなければ注文されないので、認知度アップのためには必要不可欠だと思います。
例えば、Uber Eats の管理画面からお店の人気メニューランキングをみて、注文数の少ない商品を宣伝することで、より多くのお客様へ知ってもらう施策を行っています。
また、「ムースーロー」など美味しいけど、聞いたことも食べたこともなく、少し注文しづらいようなメニューをプロモーションで宣伝することにより、多くのお客様に興味を持ってもらえるように工夫しています。
とにかく注文いただき“美味しい”と思ってもらえれば、リピートして頂ける自信がありました。
プロモーションは、店舗側にとって商品を知ってもらえる“キッカケ”となり、お客様は「こんな料理があったのか」と新しい発見につながる良い仕組みだと思います。
見えない“お客様”に料理を提供することに抵抗はなかったでしょうか?
大きいレストランでシェフをやっていたときは、厨房で鍋をふっているだけで“お客様の表情”が全く見えなかったので、お客様の表情が見えないことに対して抵抗はなかったです。
Uber Eats では「感想」や「評価」などのコメントが見えるので、それを見るのが楽しみです。
最高評価の人気店に選ばれるために取り組まれていることはありますか?
前述したように、プロモーションを利用し認知を拡大するように心がけています。
味については、“週に2回以上食べれる中華”を目指しています。
シェフの作る料理はパイタンをベースにしており、日本人好みの味付けになっています。
本場の中華料理というよりは“長く食べ続けられる中華料理”でありたいと思っています。
ただし、オーダーのメモ欄に「うんと辛くして欲しい!」などのご要望があれば、お客様の期待に応えられるように味付けを変更しています。
実際にお料理を頂きましたが、優しい味で何度も食べたくなる味ですね!
素材の味が感じられ、老若男女問わず、家族で楽しめそうな味でした。
実際に、オーダーを見て「ご家族で注文いただいたのかな?」と思いながら調理することもあります。
いいえ、自分が本当にいいと思える料理を追求しているだけです。他と同じことをしていてはダメだと自分に言い聞かせています。
新商品を出す時にはKitchenBASEに同居する料理人に味見してもらい、意見を積極的に取り入れるようにしています。
例えば、人気メニューに「あんかけ焼きそば」があります。
できるだけ麺がパリパリの状態でお届けしたいという想いから、麺と餡との間に「薄いシート」を敷いています。
ただシートを敷くだけなく、表面には“シートが入っていますので、剥がしてお召し上がりください”という表記も付け加えています。
あとは、料理の見栄えにもこだわっています。例えば「容器」の色1つをとっても、白か黒かで料理の見え方が変わるんです。
盛り付けがよりおいしくそうに見えるのはどの容器か?と考えるようにしています。
「お客様へ最高の料理をベストな状態でお届けしたい」
という想いがお客様のもとへ届いているのかもしれませんね。
ご夫婦の得意分野が存分に発揮された素敵なお店で、
「人と同じことやってもしょうがない!自分の味で勝負するしかない」
シェフのこの言葉にとても力強さを感じました。
日々、自分の料理と向き合い続けているシェフと
シェフの料理を “より多くの人へ” 届けようと努める奥さまは
還暦を超えていらっしゃるとは思えないほど、ご夫婦共に「お若いな〜」という印象でした。
お二人に今後の展望をお伺いしたところ
当初の夢であった「実店舗」を構える予定とのこと。
未経験であっても試行錯誤してチャレンジする大切さに気付かされました。
インタビューのお時間を頂きありがとうございました。
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